合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第6話 出撃!空母キングダイヤモンド

1977年4月7日 脚本:陶山智 演出:安濃高志 作画監督:竹内きよし


 コンギスターの円盤軍相手に、激しい戦いを繰り広げるキングダイヤモンド。キングダイヤモンドを沈めれば、メカンダーロボの修理や補給が不可能となる。そう考えたオズメルは、メデューサに第二波攻撃を命じる。
 物資の調達が無事終わり、合身戦隊は博士からの緊急連絡を受け、誘導電波に乗ってキングダイヤモンドへ帰還。その情報を察知したKJUはオズメルに輸送船団を叩くチャンスだと報告するが、オズメルはキングダイヤモンドに標的を絞った。
激しい戦いの中、博士は管制塔のモニターから、地球以外の電波が流れている事に気づき、その電波の発信元を調べる。その結果、防衛艦隊の旗艦「夕霧」にスパイが潜入していることが明らかになった。その事を知ったミカ、ユータ、五郎兵衛はスパイをとらえるために、ホバークラフトで出撃した。

一方、誘導電波の発信元に向かって帰還するメカンダーロボの前に、メデューサが操縦するメカ獣・ニュードムと円盤軍団が待ち構えていた。メカンダーロボはキジュウダーとの戦いで、弾薬を使い果たしてしまった。円盤軍団を蹴散らしたまでは良かったが、ニュードムからの火炎放射に苦戦を強いられる。メカンダーロボはフルパワーで体当たりを行い、ニュードムを遠くへ吹っ飛ばす。そのまま雲の中に向かうと、海上にキングダイヤモンドの姿があった。キングダイヤモンドが空母だったと知らなかった合身戦隊だが、燃料と武器の補給のため、一旦着艦する事にした。

 キングダイヤモンドは、霧の中に隠れて、メカンダーロボの補給作業を進める。だが、補給が完了するまで15分もかかる。そこにニュードムと円盤軍団が現れ、キングダイヤモンドは絶体絶命の危機にさらされてしまい、ニュードムダンナーを撃ち込まれてキングダイヤモンドは霧の中で爆発を起こした。
だが、オズメルはこの爆発を疑問に思っていた。メデューサは、レーダー反応だけでキングダイヤモンドを撃沈したと思っていたからだ。
 コンギスター円盤軍団は、クラキョウ国から帰還する防衛艦隊に攻撃を仕掛けてきた。その最中、ミカ達は夕霧に潜入。探知機でスパイを操作するが、ある参謀と鉢合わせしてしまう。
だが、彼との会話から彼がゴキブリを知らないという点から、参謀がスパイではないかと目を疑う。そして、参謀がスパイKJUに戻った瞬間、ミカ達は彼を追うが、彼は船を脱出してしまう。
 その時、撃沈したはずのキングダイヤモンドが、防衛艦隊の救援に現れた。実は、キングダイヤモンドは妨害電波とカモフラージュの爆発によって、メデューサを欺いたのだ。補給を済ませたメカンダーロボは、ニュードムを圧倒する。メデューサの作戦ミスと、無様なやられっぷりに腹を立てたオズメルは、ニュードムを遠隔操作して、メカンダーロボにとりついた。オメガミサイルでメデューサもろともメカンダーロボを葬り去ろうとするのだ。異変に気づいた山本長官は、全艦隊に一斉砲撃を命令。ニュードムを操るアンテナを破壊する事に成功し、メカンダーロボはニュードムを引き離す。メカンダーUFOダブルで、ニュードムにとどめを刺し、パワーアウト。オメガミサイルの直撃も免れた。
こうして、戦いは終わり、最小限の物資は確保できた。しかし、戦いは続く。行け!合身戦隊メカンダーロボ!!
 


大輸送作戦はオデッサ作戦の先駆けか?

前回からの続きです。この大輸送作戦は初期エピソードの傑作の一つと言ってもいいでしょう。物資の不足と、航続距離の重要性を説いた前回に対し、今回は弾薬補給の重要性を説いています。補給のために博士があらゆる手段を使って敵の目を欺き、ミカ達はスパイ捜しの為芝居を打ったり、防衛軍は終盤でメカンダーロボを支援したりと、今回のエピソードは合身戦隊以外の面々がそれぞれの役目を果たした数少ないエピソードです。
 あと、スパイ捜しや、防衛軍の奮闘など、今回のエピソードは何となく、オデッサ作戦を先駆けたような描写がみられるのも面白いところです。今回、初めてオズメルが手痛い敗北を経験する所も、その頃のジオン軍に似ています。

 個人的評価
 ストーリー 前半から引き続いてテンションは高く安定。弾薬切れのメカンダーロボが反撃へ転じるまでの描写が上手です。ただ、弾薬が切れたエピソードは今回だけだったり……
キャラクター  全員が活躍した数少ないエピソード。それぞれが戦っているという事が良く解る話の一つ。ゴキブリネタは何気にいい小ネタ。
 バトル この話に限らない事ですが、オメガミサイルはやはり上手くつかわれているエピソードが多いです。防衛隊が本格的に援護した描写も良し。
 作画 まずまずかなぁ

今回の突っ込み

今回登場するスパイ、KJUですが、もう少しデザインは何とかならなかったのでしょうか。劇中では、ブーメランパンツを着用していて、奇妙な鳴き声を発する事からかなりキモイです。

メカンダーロボの敵は、なぜかこのような、当時にしても前時代的なデザインが多く、正直メカンダーロボの魅力を損なっているような気がします。敵とは言え人間的に描くことは、ゲッターロボG、グレンダイザー、グロイザーXで描写されていて、そこから数多くのドラマが生まれたのに、メカンダーロボでは特に敵とのドラマが生まれなかったのは残念な気がします。第1話のラーナ少佐はまだマシでしたが、それ以降明らかに悪役みたいな敵しか登場してくれませんでした。(第18話のガーターは除く)


次回予告

戦闘中ある島に不時着したジミーは、島の子供たちから瓶詰めになって流れ着いたという手紙を見せられた。その手紙には、コンギスターから弟のトビーを助けて、父や母の愛したハイビスカスと蘭の花を助けて等と記されていた。ハワイへと出撃するジミー、小次郎、竜介。しかし、コンギスター軍団はさらに恐ろしい計画を立てていたのである。
次回、合身戦隊メカンダーロボ「コンギスター軍団ハワイ全滅作戦」をお楽しみに!

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