合身戦隊メカンダーロボ　全話解説
第7話　コンギスター軍団ハワイ全滅作戦

1977年4月14日　脚本：陶山智　演出：安濃高志　作画監督：竹内きよし

　コンギスターの円盤との戦いで、円盤からの攻撃が直撃し、砂浜に不時着したメカンダー1。機体から投げ出され、気絶したままのジミーを救ったのは、子供たちだった。
　その子供達は、彼らが学校にいっている間に、コンギスター軍団の襲来で両親を失った孤児で、彼らの話を聞いてコンギスター打倒の決意を改めて燃やすジミー。そして、子供の一人からはハワイから送られたと思われるあるビン詰を、ジミーは受け取った。
キングダイヤモンドへ帰還して、手紙を読むと、それは彼女たちの島・オワフ島がコンギスター軍団の猛攻を受けて壊滅状態に陥り、手紙の送り主・マリーを始めとする避難民は兵士に護衛されながら、ハワイ島へ避難する途中に、コンギスターの攻撃を受けて、船団は沈没。マリーは両親とはぐれてしまう。ハワイ島に漂着はしたが、コンギスターの追撃は続き、コマンド部隊の抵抗にしびれを切らし、火山群を一斉に噴火させて、ハワイ島を沈没させようと企んでいたのだ。
　山本長官も、ハワイ島の残存部隊と避難民の救出に2回軍を派遣したが、いずれも失敗に終わり、子供たちのために出撃しようとするジミーに、彼は敵の罠だと警告するが、ジミーの考えは変わらない。
　だがジミーの考えに、小次郎、竜介も賛成。ミカが提案した陽動作戦で、合身戦隊はハワイ島へ救援に向かった。
陽動作戦として、メカンダー2，3がミッドウェーの前線基地を攻撃している間に、メカンダー1がハワイ島へ到着。そこで狼煙を上げていたマリーに出会う。
ジミーは彼女に案内され、ある洞窟へ向かう。だが、それは司令官・ザボ中佐の罠で、彼はマリーの頭脳を改造していたのだ。ジミーはコンギスター兵に牢獄へ連行されてしまった。

　そこでジミーは、マリーから弟のトビーが護衛の兵士とともに隣の牢に閉じ込められている事を知る。弟を助けたい彼女だが、その事を考えると激しい頭痛に襲われてしまうのだ。ジミーは隠し持っていた爆弾で檻を破壊し脱出。トビーたちを救出する事に成功。ジミーは救援に駆けつけたほかの2機と合流した。
　ザボ中佐はメカ獣・トカスダーを出撃させ、合身戦隊もメカンダーロボを呼び出し、すぐさまパワーイン。トカスダーの溶解液にメカンダーフェンサーとUFOが溶かされてしまうが、水中で戦う事で溶解液の脅威を打ち消し、コバンザム装着のジョーズでトカスダーを粉砕。パワーアウトしてオメガミサイルの脅威もかわした。

　マリーは、博士の開発した手術法によって、元のマリーに戻った。いつの日か、弟トビーに再会できる事だろう。その日のために戦え!メカンダーロボ!!
　

同胞が争うという現実
孤児が大勢登場するこの話。声優を当時の子役さんたちが担当されている事もあって、子供たちの演技に生々しいリアル感を与えている事に成功しています。マリーとトビーの生き別れてしまった姉弟を、戦争という恐ろしさを織り交ぜながら展開する話はやはりメカンダーロボならでは。ゲッターロボで戦争の恐怖を描いた話はありますが、あくまで過去のエピソード。本作ではリアルに戦争が続いている中なので、過去のエピソードとは一味違う魅力があります。
そして、個人的にはザボ中佐とジミーの短いやり取りですが、「よくも子どもを!それでもガニメデ星人か!?」「黙れ!今のわしにはガニメデ星人というより、ヘドロン皇帝の忠実な部下だ!!」とのやり取りが心に残りました。
今回の敵キャラ・ザボ中佐は決して洗脳もされていませんし、ガニメデ星が地球を攻め込む様子もありませんでした。彼は自分の保身の為にガニメデ星人の誇りを捨てました。ゲストキャラとはいえ、主人公の同胞がこのような行動に走ってしまったのは当時珍しいことではないでしょうか。

今回の突っ込み

今回は特にありませんが、最後のマリーがトビーに再会する日までの意味が今ひとつよく分かりませんでした。トビーは無事発見されて保護されているのに。おそらく、早く手術から回復したいという意味でしょうか。

次回予告

地球上のあらゆる原子力に反応し攻撃する。それが、コンギスター軍団の誇る静止衛星オメガミサイルである。そのオメガミサイルによって、今や地球の90%はコンギスター軍団の支配下にあった。悪夢に悩まされる小次郎は命令を無視、オメガミサイルを目がけて攻撃をかけたのであるが、小次郎がやられる!急げ!ジミー、竜介、メカンダーロボ!!
次回、合身戦隊メカンダーロボ｢叩け!オメガミサイル｣をお楽しみに!