合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第9話 最後の戦線南シナ海

1977年4月28日 脚本:海堂清彦 演出:とみの喜幸 作画監督:小国一和


 地球防衛軍総司令部に、向かう途中、ミカは士官学校時代の友人・リリーに出会った。彼女は、長野の野戦病院に入院している母の為、父・ライアン大佐に帰ってきてほしいと思い、彼が駐留する第27線区の状況を聞いてくれとミカに頼んだ。
ミカは総司令部にその件を尋ねるが、第27線区はコンギスターの大群に包囲されていて、通信も途絶えて何日も経つことから全滅したと思われているという返事が返ってきた。
 ミカは、第27線区の真実を確認するため、偵察機で無断出撃。ミカの身を心配する博士と竜介の為に、ジミーと小次郎は実戦訓練と称して、ミカの護衛として出撃する事に。かくして合身戦隊はミカの後を追うように第27線区へ出撃した。
合身戦隊が合流する前に、ミカの偵察機へ向けて大量の円盤部隊が襲いかかってきた。ミカは善戦するが、途中で弾薬が切れてしまい、円盤の攻撃を受けて機体は撃墜され、爆発間際にミカはパラシュートで脱出し、脱出先で幸いにもタイガー師団の面々に出会う。タイガー師団のクオ中尉の話によれば、タイガー師団は通信隊の全滅で連絡が取れない状態とはいえ、ライアン大佐以下半数は、現在も抵抗を続けていたという。ライアン大佐の無事に安堵して、彼女は兵士たちとともに拠点へ向かった。
 撃墜された偵察機の無線によって、本部との連絡が取れるようになり、タイガー師団の孤立は回避された。ミカに感謝の意をこめて迎えるライアンだが、彼女から母のもとへ帰還してほしい頼みに答えることはできなかった。それは、自分が妻の元に帰っている間に、大勢の兵が戦いで散ることを嫌ったからだ。ライアンは、自分が妻に軽蔑されるような男にはなりたくないのだ。

 ミカの活躍により、タイガー師団と本部の連絡はとれた。そして25,000人の民間人が、取り残され、マラリアに苦しんでいる情報を掴んだ山本長官は、医療部隊を救援に送り、合身戦隊と防衛軍で陽動作戦を開始した。
 その報せを受けたオズメルは、ケイン少佐にオオニュウダーで出撃させる。しかしメデューサはこの救援部隊に何か裏があると感じていた。そして彼女の不安があたり、防衛軍は民間人を救出すると同時に、増援部隊を派遣していた。ライアン大佐は反撃に出る前に、民間人救出に関わっていたリリーに出会う。ライアンは妻を愛しているとリリーに言い残して、戦場へ向かう。そして去りゆく彼の後ろでリリーは言った。「私はあんな立派な父でない方がよかった」と。

 民間人救出と増援部隊の派遣を終えて、防衛軍は帰還するが、その時魚雷が防衛軍を襲った。コンギスターの攻撃から防衛軍を守るため応戦する合身戦隊。そして、海からオオニュウダーが姿を現した。合身戦隊はすぐにメカンダーマックスへ合体。メカンダーロボへパワーインした。デストポイントまであと1分30秒。メカンダーロボはオオニュウダーの触手に縛り付けられ、爆弾攻撃を受けてしまうがジョーズで触手を破壊。メカンダーフェンサーでオオニュウダーに立ち向かい、ジョーズでとどめを刺してからパワーアウト。オメガミサイルの危機は回避された。

 一つの戦いは終わった。しかし、25000人の人々を救出する作戦の影で、ライアン大佐率いるタイガー師団の反撃作戦が開始された。リリーは戦場へ向かった父を愛し続けているとミカに告げた。メカンダーロボ、リリーのような人々の為に戦え!地球の為に!!


家族か、同志か。父親の悩みは大きい。
演出に富野氏、作監に湖川氏のイデオン、ダンバインタッグというおそらく全35話中最高の布陣で制作されたこのエピソード。そのせいもあってかレベルが高いエピソードに仕上がっています。
軍人の、父親としての姿。偉大な父親に悩む娘、民間人の救出計画と増援の派遣、人間ドラマ面でも作戦面でも細かいところに力を入れており、なんとなくガンダムの原形に近いようなエピソードです。ミカが活躍する所は、とみの演出回だからでしょうか。パンチラ率がやたらと多いのも多分……。最後のリリーの言葉も、決して勝利しても終わらないラストシーンに響くものがあります。ライアン大佐は無事生還したかどうか分かりませんが、無事生き延びてほしいと願います。

 個人的評価
 ストーリー ヒロイン回の枠に収まらず、孤立軍隊の奪取と軍人の父と娘の葛藤も織り交ぜた良作。細かい作戦描写やラストシーンも特筆もの
キャラクター  ゲストキャラが見事に生きた回。リリーとライアンが上手に機能していました。リリーのセリフもよし。
 バトル 思ったよりあっさりしていたかも。まぁまぁ。
 作画 湖川キャラはまるでイデオンに出てきそうです。



今回の突っ込み

今回は特にありません


次回予告

次々に離陸する大型輸送機。その中にはコンギスター軍団によって、孤立化してしまったクレタ島の住民のための食糧、衣料などが積み込まれていた。ジミー、竜介、小次郎のメカンダー機に守られて、この大空輸作戦は順調に進行していった。しかし、そこにはコンギスター軍団オズメル大将軍の巧妙な罠が仕掛けられていた!
次回、合身戦隊メカンダーロボ「危し!メカンダーマックス」をお楽しみに!

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