合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第11話 必殺!メカンダーフェンサー

1977年5月12日 脚本:陶山智 演出:林政行 作画監督:二宮常雄


 クレタ島での大空輸作戦が終わり、キングダイヤモンドは帰路についた。しかし、オズメルはキングダイヤモンドの帰路するルートであるスエズ運河や黄海に、ナルト機雷や、円盤編隊を配置させていたのだ。オズメルが狙っていたのは、帰路についたキングダイヤモンドを叩くことだったのだ。
 だが、キングダイヤモンドは、オズメルの予想を反して逆コースのジブラルタル海峡を通りヨーロッパ方面へ向かった。自分たちが留守の間に東京が襲われることを恐れて、合身戦隊はスエズ運河を通る最短ルートを行くべきだと主張するが、博士は、コンギスターの狙いがキングダイヤモンドに集中していると予測して、あえてコンギスターに占領されたヨーロッパ方面を通過する事を選んだのだ。
 しかし、ジブラルタル海峡にも、オズメルは、念を入れて機雷を設置していた。博士はグワンダにランドルート作戦の実行を命令。ジブラルタル海峡を通過したにもかかわらず、設置された機雷は反応しなかった。

 ジブラルタル海峡を通過すると、大西洋に出て、ヨーロッパ沿岸に沿って北上。ドーバー海峡を抜けて北海に出ると、翌朝にはノルウェー海を北上したが、円盤編隊に遭遇。合身戦隊はメカンダーマックスで応戦するが、メカ獣・ギアロボットのマジックハンドに捕獲されてしまい、ギアロボットのギアに機体が巻き込まれようとしていた。
 だが、奇跡は起こった。突然発生したオーロラによってメデューサをはじめとする大勢のコンギスター兵が、一斉に苦しみ出し、ギアロボットの機能も停止。メカンダーマックスは窮地を脱したが、ジミーも突然苦しみ出したのだ。実はガニメデ星人の機械や改造されたコンギスター兵は、オーロラから発生される電磁波とプロトンを浴びると、縮む弱点があり、ジミーは形見のブレスレットが縮んで腕が締め付けられる事に苦しんでいた。

 キングダイヤモンドはオーロラが現れている間に、日本へ向かう。ジミーは苦しむが、博士はジミーの苦しみはコンギスター兵も同じであることを利用して、あえて非情な作戦に出たのだ。
 しかし、ベーリング海に差し掛かるとオーロラが弱くなり、再び円盤編隊が出現。オーロラの効果が切れてジミーは復活。メカンダー1を出撃させ、先行していた2機と合体。そして発射されたメカンダーロボにパワーインした。メカンダーロボは氷上でギアロボットをメカンダーフェンサーで一刀両断。そしてオメガミサイルは、オーロラからの電磁波の影響を受けて、大気圏突入時に爆発を起こした。
 そしてメデューサは、キングダイヤモンドが陸地を通過していた場面を目撃する。キングダイヤモンドが機雷の影響を受けなかったのは、陸地の上空を通過していたからだったのだ。これが博士の言っていたランドルート作戦の正体だったのだ。
 無事日本へ帰還したキングダイヤモンド。しかし、ジミーは多くの謎を秘めたブレスレットの事を考えていた。


決して帰りが安全だとは限らない
前回で一件落着したと思いきや、まさかの後編。第10話と第11話は前後編だったという事を、前回の予告編を見るまでは思いもしませんでした。まぁオズメルの考えた作戦の全貌が、明らかになっていなかったので薄々と気付いた方はいるかもしれませんが。
そして、今回は帰路に仕掛けられたコンギスターの罠。従来のロボットアニメでは、離れた現場へ向かって、敵を倒したあとは一件落着というノリが多かったのですが、今回は帰りが決して安全ではないという盲点を突いたエピソードで、日本へ帰還するまでの戦いが展開されます。
その中で、ジミーやコンギスター兵の弱点を物語に絡ませ、ジミーとメデューサの関係や、オメガミサイルの弱点を描写した秀作エピソードです。ただオーロラの設定はこの話しかありませんでしたが。
 キャラ的には、今回の博士にはかなり光る物があります。敵の目標や、敵地を利用した移動計画の立案、そして、ジミーの苦しみを利用して、的中突破を目指す。狡猾かもしれませんが、これは戦争。戦争は、決して人道的な手段だけでは解決しないという事を表しています。博士は単に人格者だけではなく、戦争を熟知した人間なのかもしれません。
ですが、今回のサブタイトルはもう少し何とかならなかったのでしょうか。必殺!〜と言っておきながら、メカンダーフェンサー○○斬りみたいな必殺技は登場しませんし、メカンダーフェンサーは今回初登場の武器ではありません。総集編時の「謎のランドルート作戦」みたいなタイトルの方が良かったような気がします。

 個人的評価
 ストーリー まさかの後編。帰りの安全の確保と言う特異なエピソードに焦点を当てて、帰還までの作戦と親子の葛藤を織り込んでいる良作です。オーロラという弱点はこの話限りとはいえまずまずの要素。
キャラクター  敷島博士の新しい人間面がみられるエピソード。多少の犠牲をやむを得ない博士の方針ですが、それでも良心的な人物に見える所は博士の人柄か。
 バトル 今回は脱出劇の方に力を入れていたのかな。前半のメカンダーマックスとギアロボットの戦いはなかなか緊迫感がありました。
 作画 良好。ただタツノコカラーが強いかも

今回の突っ込み

とにかく顔が濃すぎます。何故か今回のエピソードはキャラの作画が、往年のタツノコ風です。実際今回の作画監督、二宮氏はタツノコプロ出身です。彼の担当回は、時々キャラがタツノコ風になったり、後にキャラデザを務めるザ・ウルトラマンっぽくなったりします。(ジミーがヒカリ超一郎にそっくりな回もいくつかある)


次回予告

地球最後の砦・日本列島に突如想像を絶する大型台風が襲来した。地球防衛軍は、新鋭ジェット観測機中隊をマリアナ諸島に急派。超大型台風の観測を命じたが、1機として帰らなかったのである。人類にとってコンギスター軍団以上の敵・大自然の脅威に晒された日本列島に、さらにコンギスター軍団オズメル大将軍の魔の手が伸びる。
次回、合身戦隊メカンダーロボ「謎のビッグハリケーン」をお楽しみに!

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