合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第15話 出撃!合身トライカー

1977年6月23日 脚本:陶山智 演出:林政行 作画監督:二宮常雄


 前回の戦いで傷ついたキングダイヤモンドは、スタジアム基地で修理を施していた。だが、修理はまだ終わっておらず、合身戦隊はコンギスターの襲来に対して不安に陥っていた。その間、メデューサは、キングダイヤモンドの修理工場を探すため、メカンダーロボや合身戦隊をよく知る男として、山本長官を誘拐する作戦を考える。
 その頃、首都防衛作戦として、各主要地点に陸海空の防衛隊を配備し、首都圏の要塞化を考えていた山本長官はヘリコプターで、まだ防衛が不十分な上信越へ向かっていた。だが、コンギスター円盤の攻撃で、彼のヘリコプターが墜落してしまった。
 この知らせを聞いた合身戦隊は出動しようとするが、まだ発射口の修理が終わっておらず、メカンダーロボどころかメカンダープレーンですら出撃出来ない状況だった。しかし、博士はこのような事態に備えて、コンギスターの地上での侵略に備えて、メカンダーマックスと同等の性能を持つトライカーマシンを開発していたのだ。発射口を修理している間、合身戦隊はトライカーで、ヘリコプターの墜落地点へ向かった。
 墜落地点を探すため、それぞれ別ルートを探索していたが、ジミーは墜落したヘリコプターの残骸を発見。しかし、山本長官の姿は何処にも見えない。だが、竜介は一方へ続く血痕を発見し、血痕が途切れた先には、地面が黒く焼け焦げていた。この状況から、山本長官はコンギスター円盤に連れ去られたと推理し、まだ連絡が届いていないことから、その円盤はまだ遠くへは飛んでないと確信した。
 合身戦隊は、コンギスター円盤を捜査している中、火山研究所という奇妙な建物を見つけ、中に潜入すると、そこには気絶していた山本長官の姿を発見。すぐさま彼を運び出そうとするが、通ってきた道の扉が閉まりだそうする。しかし、事前に小次郎が細工を施していたため、扉が閉まる際に爆発を起こし、山本長官を外へ連れ出すことに成功した。
 その時、建物が変形し、メカ獣火炎スネークが姿を現した。長官を防衛隊に任せて、合身戦隊はトライカーに登場し、メカンダーロボの出撃を要請するが、修理はまだ完了しておらず、トライマックスに合体して戦う事に。
 それから暫くして、カタパルトと発信装置の修理が完了し、メカンダーロボが出撃し、トライマックスがメカンダーロボの背中にパワーイン。火炎スネークと戦いを繰り広げるが、炎に包まれた火炎スネークに機体を締め付けられてしまい、オメガミサイルが接近してきた。メカンダーロボは執念で、自分を締め付ける火炎スネークを引きちぎって勝利をおさめた。
そして、メカンダーロボと火炎スネークとの激戦の最中、新移動基地キングダイヤモンドが完成した。


トライカーマシンの存在意義について
今回のエピソードは、トライカーマシンに焦点を当てて描かれています。トライカーマシンは、メカンダープレーンとはまた違ったカッコ良さがあり、劇中のスペックを説明するリアルなナレーション、爽快な疾走感、無線操作で、トライマックスを身をもって守るメカンダーロボの勇姿や、火炎スネークの背中を滑走してパワーインする姿には魅力を感じます。メカンダーロボで最も高水準で安定していた作画を見せた二宮氏の力量もあって、かなりかっこいいです。ですが、このトライカーマシン3機が登場するのはこの話と第22話のみ。しかも活躍をしたのはこの回のみと、実に残念なマシンです。博士は、メカンダープレーンには活動の限界があると言っていましたが、実際考えてみれば分かりますが、空の方が陸より活動の制限はありません。島国日本から、世界各国を飛び回り戦う合身戦隊にとってはメカンダープレーンの方が便利だという事は言うまでもありません。さらに、パワーインする際、敵の背中などを足場にしなくてはいけないなど、実際、トライカーマシンには何の存在意義があったのでしょうか。そう考えると、トライカーマシンは、メカンダープレーンの代理にすぎない不遇のマシンです。
ちなみに、ひょっとしたら当時スーパーカーブームだったという事もあり、それに便乗してトライカーマシンを番組のカンフル剤みたいなものとして、起用したのかもしれません。ですが、その為メカンダーマックスを破壊すると、世界各国へ向かうのに不都合だという事もあって、メカンダーマックスと共存する事になりますが、その結果メカンダーマックスに存在を食われたのかもしれません。そう考えると、トライカーマシンはスーパーカーブームが生んだ、メカンダーロボにおける落とし子みたいなものかもしれません。

 個人的評価
 ストーリー トライマックスを担ぎすぎた所がありましたが、それを吹き飛ばすトライマックスのすごさ。何気に防衛隊の事情が丁寧に書かれていた所は好印象。
キャラクター  山本長官が誘拐されるとは。妙な所に焦点を当てましたな
 バトル メカンダーのチートすぎる勝利の収め方はアレですがそれ以外は言う事なし。トライカーの疾走感と、火炎スネークの背中を利用したパワーインは本当にカッコイイです。
 作画 とにかく作画がかっこいい!おそらくベスト3に入る作画の良さ!いい回に初登場で来て良かったねトライマックス!

今回の突っ込み

すくなくとも、火炎スネークの偽装形態に、これはないでしょう。これは、どこからみても……アレです。


次回予告

俺達は、博士の命令でピルマに飛んだキングダイヤモンドの新兵器・レーザー光線砲に必要なルビーを受け取るためだ。しかし、俺たちの動きを知ったコンギスター達に襲われ、メカンダーロボはファイヤーチェーンに絡みつかれてしまった。おまけに回路が故障したため、パワーアウトできない。くそ!デストポイントまであと58秒だ!!
次回、合身戦隊メカンダーロボ「メカンダーロボ危機一髪」にスイッチ・オン!

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