合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第21話 あの巨大ロボットを撃て

1977年8月4日 脚本:海堂清彦 演出:中野健治 作画監督:多賀かずひろ


 コマンド部隊の活躍によって、オーストラリアのコンギスター基地から、ウラニウムの奪取に成功したとの報せが入った。合身戦隊にはウラニウムを輸送するE-105艦隊をコンギスターから護衛するために出撃要請が入るが、ジミーは、連合軍が護衛に回らないことと、自分達は最後の拠点ともいえる日本を守る義務があると言って、反対する。
 合身戦隊はメカンダー各機で出撃するが、チームワークが取れていない為ミカは今回の護衛が不安だった。そして彼女の予想が的中してしまい、合身戦隊の到着前に艦隊が一隻沈んだことと、多勢の機動部隊を前に、ジミーは敵をせん滅する事に過敏に反応してしまい、本来の護衛任務を無視してまで戦闘に出てしまい、小次郎と竜介の警告も聞かず無線装置まで切ってしまった。
 ジミーは円盤部隊と戦いを繰り広げるが、その間に艦隊の方へメデューサが指揮する大型円盤空母が接近している事に気づき、自分が罠にはまったと知った。2人は、大型円盤空母から艦隊の護衛にあたるが、2機では太刀打ちできずに艦隊の全滅を許してしまった。
 メデューサの成功に喜ぶオズメルだが、またウラニウムが奪取されると察し、次に狙われると思われるダーウィンの精製工場に、メデューサにメカ獣・ザリガーを出撃させることにした。
 グラウンドでジミーを殴り飛ばす小次郎。しかし、戦争は計画通りにはいかないというミカの言葉から、小次郎はジミーの行動が正しかったかどうかを再考する
。しかし、考える時間も与えないように、山本長官からウラニウムの奪取計画の為に艦隊の護衛として合身戦隊へ出撃を要請してきたのだ。だが、その間に日本が手薄になることを恐れ、博士は反対する。そして、結論が出ないまま機動部隊が日本に接近し合身戦隊は出撃する事になった。
 だが、ジミーは前の戦いの経験から、日本への機動部隊は囮だと察し、ウラニウムの奪取に向かったコマンド部隊を防衛するため、単身でダーウィンに向かう。案の定、ダーウィンにはザリガーが待ち構えており、ジミーはこの危機を単身で乗り越えなくてはいけなかった。だが、ミカが内部で操縦してメカンダーロボを向かわせており、機動部隊を片づけた小次郎と竜介も合流し、すぐさまメカンダーロボへパワーイン。迫りくるオメガミサイルの脅威を背後に、メカンダーロボはザリガーと激戦を繰り広げ、オメガミサイルとジョーズの合わせ技でザリガーを葬り去った。
 ジミーたちは、絶対必要とされたウラニウムを失った。しかしこの戦いで得たものは大きかった。一本の矢より三本の矢、強く戦えメカンダーロボ!


戦争は何が起こるか分からない。でもこの展開は何?
今回、防衛隊がコンギスター基地に潜入してウラニウムの奪取に成功するという、従来の防衛隊とは一味違う活躍を冒頭で見せてくれました。これまで合身戦隊を陰ながら、まるでZガンダムにおけるネモのように好サポートをしてきた防衛隊ですが、今回一瞬とはいえ、主役を凌ぐかのような大活躍をしてくれます。
 ですが、その活躍もコンギスターの襲撃と、ジミーの暴走で無に帰されてしまうのがなんとも言えないところです。今回の話はジミーの独断行動を、戦争には想定外の事がある可能性を織り交ぜたエピソードですが、正直何故今更みたいなエピソードです。
 基本的にジミーは独断行動をとらない、リーダー的な人物が突然、功に漁るのは不自然です。それも今回日本が無防備になるのを恐れていますが、そんな事を言ったら今までの話でも、日本を離れて何度も任務を行っています。
 最後も、特にお互いを理解したシーンもなく、最後のナレーションも、地球の命運をかけたウラニウム奪取作戦が失敗に終わった代わりに、合身戦隊は三本の矢を学んだと締めくくっては、決死の作戦をやり遂げたにも関わらず、合身戦隊のミスで壊滅したコマンド部隊の立場がありません。とりあえず、ウラニウム奪取を遂行したコマンド部隊に黙とうをささげようかと思います。
最後に、合身戦隊が殴り合う程の事態に発したのは、この回のみです。

 個人的評価
 ストーリー こういう話をやるのは遅すぎた感が
キャラクター  い、一体どうしたんだジミー!
 バトル ザリガーにもっと見せ場を作るべき
 作画 作画が唯一の救いかも

今回の突っ込み
今回登場するザリガーは、オメガミサイルの巻き添えを食らって敗れた最後(オメガミサイルは、今回で姿を消します)のメカ獣です。が、メカンダーロボはパワーアウトする事もなく、何故かメカンダーロボにはオメガミサイルは反応しませんでした。オメガミサイルが故障したのでしょうか。でもなぁ......


次回予告

コンギスターはついに俺達の秘密基地を見破り、スタジアムを破壊してしまった。スタジアムを棄て発進するキングダイヤモンド。俺達はただちにメカンダーマックスに合体し、メカンダーロボの発進を待った。だが、発進装置がコンギスターの攻撃で故障してしまった。メカンダーロボ、どうした!遅いぞ!!
次回、合身戦隊メカンダーロボ「スタジアム基地の最後」にトライアタック!!

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