合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第25話 謎の謀略作戦をあばけ

1977年9月15日 脚本:陶山智 演出:佐藤哲朗 作画監督:村田四郎


 軍用物資を積んだ列車や船、タンカー、そして地下のミサイル貯蔵庫が次々と爆破する事故が起きた。
 山本長官は、コンギスターによる破壊工作員の仕業と見るが、真相まではつかめていない。何度も諜報部員を向上に派遣しているのだが、一人たりとも帰ってくることはなかった。念には念を入れて工員を徹底的にチェックして、疑わしい工場を閉鎖させているが、その為に防衛軍の生産力は半分までに落ちてしまった。さらに、次に12隻ものの原子力空母を生産している造船所が狙われているらしい。何故なら、そこで働く女子工員が、ハイキングに行って行方不明になり、夜明け前に突然帰ってきたからだ。今までの工場でも、爆破作戦が行われる数日前に、そこで働く工員が一時行方不明になっているからだ。
 真相は分からなくとも、女子工員が今回の事件に絡んでいるのは確か。山本長官は、合身戦隊に監視を依頼するが、その工場の女子工員の名簿を見ていたグワンダが、自分の方が敵に存在を知られていないという理由で、作戦実行に志願してきた。博士は彼の潜入行動を許可するが、彼が作戦に志願した理由は別のところにもあった。それは、その工場で妹のメアリーが働いていたからだ。これを知った合身戦隊は、博士からコマンド隊員ではないグワンダを陰ながら支援するためにメカンダー各機で出撃した。
 工場付近に到達し、女子工員を探る事もあって、作業着姿のミカが工場へ潜入をはじめ、他の三人は彼女からの連絡を待つ。そして、彼女は作業中にメアリーに出会う。そして、作業が終わると工員たちは、それぞれの休憩時間を有意義に過ごし、グワンダはメアリーと再会を果たした。
 だが、その夜に奇妙な事態が起こった。小次郎が怪音波をキャッチしたとともに、大勢の女子工員が突如夜中に目覚めたのだ。怪音波の発信源から、合身戦隊は直ちに出動。グワンダも、今日の状況を隊員に報告しようとしていたが、怪音波に操られたかのように、メアリーは彼を射殺しようとする。幸いミカの活躍で、暗殺計画は未遂に終わり、メアリーは気を失って倒れた。
 キングダイヤモンドでメアリーを診察した結果、彼女の耳には脳神経を操る回路が仕込まれていたことが明らかになった。その回路から流れる音声を調べた結果、女子工員たちが原子力空母を襲うという内容が分かり、すぐさま、合身戦隊に怪音波の発信元の調査を命じた。
一方、操られた女子工員と警備兵の血を血で洗う戦いが工場内で繰り広げられていた。合身戦隊は怪音波を発進している岩を発見。すぐさまメカンダーロボを合身させ、岩から現れたメカ獣・クラゲライザーと戦いを挑み、メカンダーフェンサーでとどめを刺した。
 それから、無事回路を取り除かれたメアリーにグワンダは再会を果たした。しかし、女子工員の中で助かったのはメアリーただ一人だけだった。
合身戦隊は苦しい謀略戦を戦いぬいた。しかし、それは果たして勝利であっただろうか。地球防衛軍の被害、原子力空母1隻。造船所における攻防戦で警備兵、コンギスターに操られた女子工員、共に全員死亡。


クオリティーの低さが惜しまれる回
 今回は、縁の下の力持ちと言えるグワンダが表舞台で活躍する珍しいエピソードですが、戦時下での女子工員を題材にしたのがポイントといえます。そして、あのラストの後味の悪さは、メカンダーロボ屈指の回ともいえます。
 ただ、今回惜しまれるのは作画面の低調でしょう。今回の作画監督・村田四郎氏は、あまり上手くない方ですが、スポンサー危機による資金繰りの困難が、クオリティーにも響いています。例えば、同じ顔を使い回したり、そのシーンをアップにしたり、拡大したりとあらゆる面でのその場しのぎ的な画面が見られます。今回のバトルも、クオリティーがまずい上にバトルもあっさり終わってしまいます。
 今考えると、メカンダーロボのバトルは当時の他のロボットアニメと比べると、どこかあっさりした仕上がりになっています。この風潮がひょっとしたら80年代の、いわばガンダムに影響されて人間ドラマに趣を置いてしまって、戦闘シーンが薄味になってしまったロボットアニメの先駆けになってしまったのかもしれません。そう考えると、今一つ不愉快なものかもしれません。
それから、メデューサが死亡してから、オズメルだけしか敵がいないというさびしい状態になります。出来ることなら新幹部を出してほしかったのですが、ひょっとしたらもう放送終了が決まっていたから出さなかったのかもしれません。でも、やはり敵幹部の存在は大事だと実感しました。

 個人的評価
 ストーリー グワンダに焦点を当てた所も良かったけど、珍しい所を突いた話も良かったと思います。
キャラクター  グワンダが初めて目立った所は良かったけれど、もう少し色々キャラ描写があっても。
 バトル 前回に続きいろいろ辛い。見せ場もほとんどなし
 作画 村田さんの回で一番ひどいのはこの回。断言できます

今回の突っ込み
今回は特にありません。ただ、メデューサが死んでからか、オズメルが容赦なく、失敗したり、自分に逆らうコンギスター兵を殺す場面が見られます。……本当に器が小さいボスですな。


次回予告

コンギスターの円盤が、各地天文台を襲撃した。それは、オズメルがメカ隕石群の動きを、俺達に悟らせない為のマル秘作戦だった。だが、俺が助けた少年からその動きを教えられ、メカンダーロボが火星付近まで出動し、迎え撃つことになった。失敗すれば、隕石群が地球に激突してしまう!
次回、合身戦隊メカンダーロボ「決死の宇宙戦争」にチャンネルイン!!

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