合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第34話 大将軍オズメルの最期

1977年12月8日 脚本:海堂清彦 演出:中野健治 作画監督:多賀かずひろ


 遂に防衛軍はアメリカ大陸に上陸し、コンギスターと激しい戦いを展開する。だが、防衛軍の進撃をメカ獣・メカキジダーが阻む。メカキジダーの攻撃に進路をふさがれる防衛軍だったが、戦闘機編隊の特攻B作戦によって、防衛軍はメカキジダーの撃退に成功した。
 その報せはオズメルに届き、待機している機動部隊(新メカタイガーシャーク戦隊×2、グレープロボ2号、新ギアロボット、カメレオンロボの計5部隊)に上陸部隊への総進撃を命じる。その時怒るヘドロン皇帝がオズメルへ攻撃を始めた。彼の言葉から、すぐさま作戦を変更。標的を上陸部隊からキングダイヤモンド始めとする各艦隊へ変えた。
 
コンギスター軍団の襲来に、遂に合身戦隊は出撃した。防衛艦隊と機動部隊の死闘が続く中、オズメルはメカオニヒトデを出撃させ、空と海からの両面攻撃を展開。合身戦隊はメカンダーロボに合身して、機動部隊とメカオニヒトデを撃破。メカンダーロボの活躍もあり、防衛艦隊はコンギスターの全防衛線を突破。この状況からコンギスター兵から、新型メカ獣を開発するまで太陽系からの撤退を提案するが、オズメルはコンギスター最大級のコンピューターγにすべてを任せ、空中要塞都市を艦隊にぶつける。
 コンギスターの機動部隊を蹴散らしていたメカンダーロボは、空中要塞都市の出現の報せを聞いて、すぐさまキングダイヤモンドへ戻る。防衛艦隊は空中要塞都市を前に次々と沈没させ、山本長官も遂にどの命を落とした。その時、メカンダーロボが遂に空中要塞都市に上陸。オズメルは最後のメカ獣・宇宙サソリロボを仕向けるが、メカンダーロケットガンでこれを破壊。コンピュータールームが破壊されたことでコンピューターγも機能を停止し、各所が爆発を起こす中でオズメルは脱出を試みる。
 
地上に墜落した空中要塞都市から、瓦礫の下敷きになりながらも、辛うじて生き延びたオズメル。だが、機械の体を現したオズメルの前に、メカンダーロボから降りたジミーが待ち構えていた。遂にジミーとオズメルの最後の戦いが切って落とされ、鳴り響くお互いの拳銃の発射音。その後、オズメルが地面に倒れ、彼に拳銃を向けた所で体が爆発し、遂にオズメルは散った。
 
 オズメルも倒され、空中要塞都市も破壊された。それは、長かった戦いが終わったという意味でもあったのだ。


最も過酷な最終決戦
視聴者を待たせること約二ヵ月。何としても物語を完結させなくてはと、決意したスタッフの執念がこのエピソードを生んだと言ってもいいでしょう。スポンサーはないまま、資金がほとんど尽きた状態で作られたこのエピソード。既存のフィルムの流用は勿論、新作カットはかなり荒っぽい仕上がりになっていたり、紙芝居みたいに絵をスライドさせたり、効果音がなかったり、中割りカットが入っていなかったりとかなり凄惨な出来です。それでもなお、この作品を完結させたかったとのスタッフの執念があったのです。ポイントとしては、合身戦隊を好サポートしてきた防衛軍が、遂にメカ獣を撃墜する所が挙げられます。防衛軍が活躍する事はおろか、敵メカを撃墜した話は今までのロボットアニメでは見られませんでした。このシーンは、防衛軍の活躍や作戦に焦点を当てながら進んだストーリーが一つの結実となったともいえます。
そして、最終決戦でオズメルを倒すジミーですが、実は生身同士の戦いで敵幹部を倒したのはこのメカンダーロボが初めてだったりします。(ボルテスVの健一とハイネルの死闘より3カ月先)惜しむのは、制作環境の破綻故に、その撃ちあい勝負も、中割りカットがない為、あっけないものになっている事でしょう。ボルテスは作画面でも気合が入っていたのに……。オズメルが最後に喘ぎながら爆死するのは好きですが。
制作環境が破綻しながらも、メカンダーロボはようやく話に決着をつけました。ですが、今回が最終回なのは少々唐突すぎると思ったのか、次回で物語は完結します。
ちなみに、オズメルはジミーを知っていながらも、ジミーがガニメデ星の王子だと言う事は今回まで知らなかったみたいです。

 個人的評価
 ストーリー まさに最終決戦。1話では詰め込み過ぎだった感がありましたが、蹴りをつけたことに意義があります。
キャラクター  キャラ描写に力を割く余裕がなかったかも。ジミーとオズメルの戦いに決着をつけた所はよし。
 バトル この話でバトルシーンの出来を突っ込む事は禁じ手。新規バトルパートを描いたスタッフの底力をしるべし。
 作画 大変だったんだね……本当にスタッフは良くやりました。

今回の突っ込み
まず、最終決戦時のメカンダーロボにミカの姿がありません。どうして彼女はメカンダーロボに乗っていなかったのでしょうか。
それよりも、実はこの話は次回予告とかみ合っていませんでした。次回予告では、オズメルがジミーを捕えて、処刑室で処刑しようとしている所に、ジミーが捕えられているのを知らずにメカンダーロボが攻撃を仕掛けるようですが、そのような場面はありませんでした。もしかしたら第34話の没案か何かなのでしょうか。もし、この話が実現していたらどうなっていたか気になりますね。


次回予告

俺達ガニメデ星人を征服し、遂にその魔の手を地球にまで伸ばしたヘドロン皇帝。その皇帝が精魂こめて作り上げたオズメルを俺達は倒した。長く、苦しい戦いだった。そして今、ガニメデ星のヘドロの海でヘドロン皇帝がその最期を迎えつつあった。
最終回、合身戦隊メカンダーロボ「メカンダーロボよ永遠に」トライアタック!!

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